筒井義信会長【拡大】
5年前に2%台だった20年国債の金利は1%を割り込み、現在は0.7%台まで低下。生保主要各社は保険契約者に約束した運用利回りを得られない「逆ざや」をようやく解消したばかりだが、海外展開していない体力の弱い中堅生保を中心に再び厳しい経営環境に逆戻りする可能性も出てきた。
各社は利回りの高い外債や、環境関連、インフラ事業などの成長分野に資金を投じるなど運用の多角化に乗り出している。ただ、ドルの調達コストが上昇するなど外債の魅力も薄れてきた。優良な投資先をいち早く見つける運用力が試されそうだ。
マイナス金利の影響で、富国生命保険や第一生命保険傘下の第一フロンティア生命保険などが貯蓄性の高い一時払い商品の販売の一部停止を決めた。筒井会長は「(運用リスクの取り方を変えるなど)価値観を変えないといけない」と危惧する。