閉鎖されるシャープの天理工場=奈良県天理市【拡大】
天理工場は1991年に液晶パネルの生産を始め、自社のスマホ向けパネルなどを出荷している。設備が古くなっていることもあり、8月末までに閉鎖する。
130人強の従業員は、他の拠点への配置転換を検討している。次世代パネルの有機ELを含めた最先端技術の研究開発拠点としての機能はそのまま残る。
シャープは構造改革を進める一方で、亀山工場に約112億円を投資し、タブレット端末向けなどの中型パネルの生産を強化する。
【用語解説】シャープの液晶事業
シャープの売上高の3割を占める主力事業。2016年3月期に300億円の営業赤字となる見通しで、収益改善が急務になっている。テレビ向けパネルからタブレット端末やスマートフォン向けの中小型パネルまでを手掛ける。競争激化で不振が続き、低迷から抜け出せていない。低消費電力が特徴の独自液晶「IGZO(イグゾー)」など技術には定評がある。