東日本大震災を教訓に、損害保険大手3グループは想定を超える大規模災害に備えた商品・サービスの拡充に取り組んでいる。災害時に一番必要とされる保険金を素早く、確実に届けることは業界共通の課題。地震保険でカバーされないリスクへの補償の拡充や保険金の支払いの迅速化など、各社は工夫を凝らしている。
大震災では保険金の迅速な支払いが課題だった。津波で保険証券が流され契約している保険会社が分からなくなったり、避難中の契約者と連絡が取れなくなったりするケースが頻発したためだ。
東京海上日動火災保険は代理店で直接、保険金請求受け付けを入力できるようにシステムを改善するなどの対応を取り、昨夏の台風15号では保険金支払いまでの期間をこれまでより約1週間短縮することができた。
損害保険ジャパン日本興亜は、首都直下地震が発生した場合の地震保険の請求件数を約124万件と試算する。大震災での約5倍に上る保険金請求に対応するため、電話受け付けなどの拠点を東京に加え、大阪にも設置。大規模災害時の応援要員となる社員は約3千人を見込んでいる。
津波の被害を受け、自宅を建て替える人が抱える「二重の住宅ローン問題」への対応も進む。地震保険は建物が全壊しても火災保険金額の50%までしか補償されず、住宅再建や家財の購入には足りないという問題があった。