アイリスオーヤマのコメを販売しているマレーシアの日系百貨店【拡大】
生活用品の製造販売を行うアイリスオーヤマ(仙台市)が、東日本大震災の被災地の農業活性化に向けて始めたコメ事業で、輸出を拡大している。今年はマレーシアに前年の5倍に相当する約300トンを出荷するほか、米国向けにも輸出を始めた。両国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加しており、関税障壁が低くなることを視野に入れている。
アイリスオーヤマは昨夏、マレーシア向けにコメ輸出事業に参入。2015年に約60トンを出荷し、日系の百貨店で販売したところ、現地の富裕層や日本人に人気となった。今年は20社以上に販路を広げ、輸出量を大幅に引き上げる。また、近く英語表記を取り入れたパッケージを導入する。米国でも今年1月から輸出しており、徐々に拡大する方針だ。
生活用品メーカーとして急成長を遂げた経験を生かし、精米などを15度以下の低温で行い、気密性の高い独自のパッケージで売り出した。鮮度が競争力となって、賞味期限も延び、輸出に適した商品となっている。