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【会社概要】鞄工房山本
▽本社=奈良県橿原市南浦町899((電)0744・20・1771)
▽創業=1949年
▽資本金=1000万円
▽従業員=43人
▽売上高=9億7000万円(2015年度)
▽事業内容=ランドセルの製造・販売
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≪インタビュー≫
□山本一彦社長
■モノを大事にする気持ち育んで
--ランドセルを作る上で大切にしていることは
「教科書を入れるただの道具ではなく、6年間を見守る大事なパートナーという考えで、各工程を丁寧に一つずつ手作りしている。鞄工房山本のランドセルを使うことで、モノを大事にする気持ちを育んでほしいと思っている」
--特にこだわりをもっている部分は
「大きな1枚の革から各パーツを裁断するための『型入れ』に、一番気合を入れている。革は牛の背中側の繊維は緻密(ちみつ)で強く、おなか側の繊維は荒くて柔らかいという特徴があるので、それに合った型入れをしないといけない。よく見なければわからない虫食いや傷もある。生き物からの恩恵を無駄にしないためにも、何時間もかけて入念にチェックをしている」
--手作りのランドセル作りの工程はどのようなものか
「型入れの後は『裁断・スキ』『カブセ』『前ポケット』『オオマチ』『背中・肩ベルト』などの工程に分かれて、それぞれが作業する。ミシンなどの機械は使うが、ほとんどの工程が手作業なので、1日の生産量はだいたい60個程度。最初に型入れをしてから完成まで、2週間ほどかかる。去年の7月に注文をいただいて、生産が終わるのは今年の3月なので、最大で半年以上待ってもらうことになる」