高利回り「旅行積立」に脚光 利率2~3%台で競う、マイナス金利時代に魅力 (1/2ページ)

2016.4.8 16:00

マイナス金利で申し込みが急増している旅行積立。取扱企業もサービス拡充を図る=東京都渋谷区

マイナス金利で申し込みが急増している旅行積立。取扱企業もサービス拡充を図る=東京都渋谷区【拡大】

 大型連休や夏休みなどの旅行シーズンを前に、旅行や航空各社が取り扱う「旅行積立」の申し込みが急増している。積み立てたお金を旅行商品券やサービスなどに交換できる仕組みで、使い道こそ限定されるものの、満期時に上乗せされる金額の利率がマイナス金利の影響を受けた現在の預金金利を上回るのが魅力。

 取扱各社も、マイナス金利の追い風をてこに、新しい顧客の獲得や囲い込みを狙ってサービス拡充に本腰を入れ始めている。

 「(マイナス金利導入の)2月に入ってから問い合わせが増えた」。エイチ・アイ・エス(HIS)の担当者は声を弾ませる。若者の申し込みも多く、3月の申込件数は前年同月の2.5倍にまで膨らんだ。JTBも2月のネット契約件数が6.5倍となったほか、近畿日本ツーリストも2月の契約件数が約1.35倍に伸びている。

 マイナス金利で主要行の預金金利は普通預金0.001%、定期預金0.01%に低下、“高利回り”の旅行積立に注目が集まった。百貨店でも同様のサービスを展開するが、消費の対象が「モノ」から体験などの「コト」に変化する中で、存在感が強まった格好だ。

 取り扱う旅行・航空各社にとっても、リピーターが多い旅行積立は固定客の獲得にも有効。降って湧いた特需を生かすべく、お得感を前面に押し出したプランの充実などを図る。

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