日本郵政新体制 官業脱却へ問われる変革力 矢継ぎ早の提携戦略も「意思決定遅い」

2016.4.8 20:48

 日本郵政グループが4月、新体制でスタートした。昨年11月の株式上場で1兆4千億円の資金を調達し順調な滑り出しをみせたが、日銀のマイナス金利政策の影響で収益の先行きには不透明感が漂う。第一生命保険などとの矢継ぎ早の提携戦略からは本業の失速を補う業容拡大の焦りもにじむ。荒海にこぎ出す新経営陣には民間企業としての変革力が問われている。(芳賀由明、大坪玲央)

 日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の8日の終値は年初来高値より22~26%安値だった。マイナス金利により、グループ収益の屋台骨を支える金融2社の業績悪化懸念が強まり、株価は低水準に張り付く。日本郵政の西室泰三前社長(80)が「できるだけ早く半分にする」と繰り返していた2社の追加株式売却は仕切り直しを迫られそうだ。

 なかでも、学資保険や終身保険など主力商品を国債で運用するかんぽ生命は深刻だ。82兆円の運用資産のうち国債が55%を占めており、外債や株式などのリスク資産に10%をシフトする方針だが、市場から高評価を得るにはほど遠い。3月29日の第一生命との包括業務提携発表はマイナス金利が背中を押した面もある。

 提携は海外の生保事業や資産運用、国内の商品開発や運用技術開発が柱だ。しかし、ほぼすべての提携事業が「検討する」ことになっており、これまでの官業のスピード感のままでは市場に置き去りにされそうだ。

 5日にはファミリーマートと物流や金融分野などで提携すると発表した。内外のファミマの店舗をネット通販の配達拠点に活用するほか、現在500店舗に設置しているゆうちょ銀のATM(現金自動預支払機)をさらに2千~4千台増やす。

 日本郵政の長門正貢社長は会見で「これまでの協力を一段高い提携関係に格上げして両社の企業価値を高めたい」と期待を寄せた。だが、関係者によると、提携事業の協議はファミマが提案する幅広い提携事業に対して、郵政側が仕分けする形で進められた。提携企業の幹部は「意思決定が遅すぎる」と苦言を呈する。

 東芝、東京証券取引所の経営トップを歴任し、「3社同時上場」という前例のない株式上場を成し遂げた西室前社長。病気に倒れ、緊急避難的に登板した長門・日本郵政社長と池田憲人・ゆうちょ銀社長だが、2人もまた民間出身だ。

 「上場しても郵政省時代と何も変わっていない。佐川急便やシャープを買収するとか思い切ったことをやればよい」(自民党議員)との不満に、新経営陣はどう応えるのか。

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