【高論卓説】変われるか日本企業 大学基点の共同開発でイノベーションを (3/3ページ)

2016.4.8 05:00

物流オープンデータ活用コンテスト実施を発表する坂村健・東大教授(左)と秋葉淳一・フレームワークス社長。物流データのオープン化は「日本の変革の象徴」と坂村氏

物流オープンデータ活用コンテスト実施を発表する坂村健・東大教授(左)と秋葉淳一・フレームワークス社長。物流データのオープン化は「日本の変革の象徴」と坂村氏【拡大】

 「役割分担が違うこともあるが、京大があるため三者がうまくスクラムを組めてきた。情報も共有されている」(住友重機幹部)と話す。

 電通と明治大学は「エスノグラフィー」に関する産学共同プロジェクト「エスノ・アイディア・ラボ」を始めている。エスノグラフィーはマーケティングリサーチの中で、定性調査としての中核的な手段。日本ではなじみが薄いが、欧米では広く使われている。伝統的な調査手法とは異なり、調査する対象の内部に入りインタビューしたり、詳しく観察したりすることで、いわゆるインサイト(消費行動などの核心)を見いだしていく。

 藤田結子・明大商学部准教授は「先行事例のない革新的な製品開発に役立つ反面、成功ノウハウはみな企業秘密になる。そこでプロジェクトを通し、企業に共同研究の機会を提供している」と語る。

 すり合わせ志向で他者との連携を好まない傾向の日本企業だが、オープン志向へと大学とともに変わっていけるのか。

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【プロフィル】永井隆

 ながい・たかし ジャーナリスト。明大卒。東京タイムズ記者を経て1992年からフリー。著書は「サントリー対キリン」「人事と出世の方程式」など多数。58歳。群馬県桐生市出身。

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