総務省の行政指導後も「実質0円」を下回る大幅値引きのポスターが張られた都内のソフトバンクショップ=7日【拡大】
今月1日から適用されたスマートフォンの「実質0円」を是正するガイドライン(指針)をめぐり、総務省とソフトバンクの対立の構図が携帯電話市場に異変をもたらしている。総務省が5日、NTTドコモとともに行政指導を行ったが、ソフトバンクはその日、反論のコメントを発表。高市早苗総務相は8日の閣議後会見で行政指導に沿った改善を求めた。同省はまた、8日に各社から報告を受けた販売代理店への販売奨励金の状況を精査しており、問題が見つかった場合は、再び行政指導する方針だ。指針は携帯各社も参加した議論の末にとりまとめられたが、長年の商習慣を変革するには今後も混乱が予想される。
販売シェア落ち込み
ソフトバンクは5日、総務省からスマホ販売で行き過ぎた値引きの是正を求められた直後に、「(ドコモと)価格差がない限り、競争を減殺し、消費者に不利益を生じさせる」などと強い口調の反論を発表した。
「速やかに適正化を図っていく」と是正に前向きの姿勢も示しながら、その条件は「業界全体の進捗状態を踏まえて」とするなど、「実質0円」是正を柱とする総務省の要請に素直に従わない考えを示している。