「フランス人は心を引かれ、自らのものとして取り込むと、洗練された形で発信し、新しい価値を付加していきます。シンプルで明快であることを重んじる彼らは物事の本質を的確に捉えます。明晰(めいせき)な人ほど日本を理解し、好きになり、日本的な感覚、感性を美しいものとして受け止め、心を引かれています」
日本人は一つの工程を経ることで得られる経済的な価値を追うことよりも、徹底して仕事を完遂することに意義を見いだし、良心の充足を得ることにも大きな意義があるという。
「周囲のために心を配るなど日常の小さな事柄も含め、フランス人は日本独特の心の動きに魅了されています。日本的な世界観、価値観が、彼らの世界観、価値観に大きな示唆を与えるものとなり得ます。日本のものづくりを丹念に伝え、彼らが求めるものを見いだしながら、日本のものづくりにも力を与えるものになればと願っています」(谷口康雄)
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【プロフィル】塩川嘉章
しおかわ・よしあき 1970年、川崎市生まれ。大学生時代からパリへ留学し、95年に再渡仏。98年から現地の日系企業に勤め、2005年には社長に就任した。11年に独立し、日本の製品をヨーロッパ全土に紹介、販売する現地法人を創設。パリ中心部にコンセプトショップ「ディスカバー・ジャパン」「メゾン・ワ」を開設し、日本の地域産品をものづくりの精神とともに発信している。昨年11月、クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)が約1億円の出資を決定し、ヨーロッパでビジネスを確立する日本の地域産品事業者を5年間で200社創出することを目指す。