熊本地震でサプライチェーン(部品供給網)が寸断し、ドア部品などの供給が滞っていることから、トヨタ自動車は19日、愛知県の工場など九州以外の工場で車両組み立てラインの稼働を停止した。段階的に残る工場の生産も休止し、グループ会社を含めた国内16工場のうち15工場で、23日まで車両生産を休止する。
19日は「プリウス」を生産する愛知県豊田市の堤工場や高岡工場などが休止した。20日にはダイハツ工業の京都府の工場、22日にはトヨタ自動車東日本の宮城県の工場などの稼働を停止する。5万台程度の生産減になるとみられる。
停止に踏み切るのは、熊本市のアイシン精機の工場が被災し、ドアやエンジンなどの部品が不足しているため。トヨタは効率化を目的に余分な在庫を持たないようにしており、部品供給が滞ると生産停止に直結する。問題があった場合にラインを止めて不良品を防ぐ生産方式も浸透している。
復旧には時間がかかる可能性があり、アイシンは愛知県の工場などでの代替生産の準備を進めている。
トヨタは24日は休業日で、25日以降の稼働については部品の供給状況をみながら判断する方針だ。