2016年3月期連結決算についての質問に答える三菱重工業の宮永俊一社長=9日午後、東京都港区【拡大】
三菱重工業は9日発表した2016年3月期連結決算で、日立製作所と火力発電システム事業を統合した合弁会社、三菱日立パワーシステムズの南アフリカのプロジェクトの事業評価額をめぐって日立と見解が対立し、約3800億円の支払いを日立に請求していると公表した。日立は「協議は継続中」とし、4月6日付で請求を拒否。「合弁会社をやっていくことに変わりはない」(宮永俊一社長)としているが、協議の結果次第では、両社の業績に大きな影響をもたらしそうだ。
問題になっているのは、日立の連結子会社が07年に受注した火力発電所向けボイラー建設プロジェクト。14年に三菱重工と日立が共同で設立した三菱日立パワーシステムズが事業を引き継いだ。事業の評価額について、見解が分かれたといい、三菱重工は、事業を引き継いだ時点で「既に損失が見込まれたプロジェクト」としている。
宮永社長は9日開いた会見で「2年かけて合意に向けて必死でやってきたが、あまりに膨大な工事でもあり金額的に収まりがつかなかった」と述べた。