三菱自動車は11日に燃費データ不正問題の調査結果を国土交通省に報告する。データを改竄(かいざん)してよく見せていた軽自動車の実際の燃費値や、対象車種が広がるかどうかが焦点になる。三菱自はガソリン代の差額など利用者への補償策を検討するが、結果によってはさらに信頼を損なう恐れがある。
「実際の燃費が国交省に受け入れられて、初めて具体的な補償内容を決められる」。相川哲郎社長は前回報告後の4月26日の会見でこう述べた。
報告は11日で3回目。今回は「eK」シリーズと、軽供給先の日産自動車の「デイズ」の軽4車種の燃費試験をやり直した結果が提出される見込みだ。
4車種は試験で車に与える走行抵抗の値を不正に低く設定し、燃費を良く見せていた。三菱自は効果を「5~10%」と説明しており、eKワゴンだと1リットル当たりの燃費値を最高3キロ程度かさ上げしていた計算になる。燃費値がより悪ければ、ガソリン代の差額が増えて補償額は拡大する。
前回の報告では、1991年から燃費試験で国内法令とは違う走行法を採用していたことが明らかになった。三菱自は燃費改善の意図を否定し、対象車種や台数は「調査中」としたが、今回の報告内容次第で4車種以外も不正対象車として補償を求められる恐れがある。