原田氏は14年6月にベネッセHDの会長兼社長に就任したが、直後の7月に個人情報漏洩が発覚。アップルコンピュータ日本法人や日本マクドナルドホールディングスの社長を歴任した“プロ経営者”の原田氏でも、ブランド力の低下に歯止めをかけられなかった。デジタル化や海外事業の強化でも十分な成果を示せなかった。
「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の会員数は今年4月時点で243万人と、前年同月に比べ10%減少。個人情報漏洩が発覚する前の14年4月に比べ33%も減っており、会員数の回復はいまだに見通せていない。通信教育の業績は新年度が始まる4月の会員数に左右され、17年3月期も減収減益を余儀なくされる。
新社長に就任する福原副社長は「業績回復に全身全霊を注ぎ、リーダーシップを発揮する」と強調し、成長分野として海外や介護事業を強化する方針を示した。だが、ベネッセHDは売上高の5割を通信教育を中心とした国内教育事業に依存している。傷ついた信頼を取り戻し、中核の通信教育を立て直せなければ、本格的な業績回復は遠い。
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【プロフィル】福原賢一
ふくはら・けんいち 京大卒。1976年野村証券。2004年ベネッセコーポレーション(現ベネッセホールディングス)。執行役員専務、副会長などを経て09年10月から副社長。岡山市出身。