「アイエスエイプラン」でリーダーに選ばれ、今年度の指導方針を同僚に説明する男性社員=4月下旬、東京都中央区【拡大】
転職の武器に
国内外へのソフトウエア開発の委託を仲介するモンスター・ラボ(東京)は、中国、ベトナム、バングラデシュなどに自社開発拠点を持つほか、世界約100社の開発会社のネットワークを活用。日本企業から、アプリやウェブサービス、業務システムの開発といった依頼を受ける。
IT人材の育成を進めるアジアの国々でも、米国企業などからの業務委託が増加し、人材の争奪戦が起きているという。●川宏樹社長は「人件費は上がってきてはいるが、高い技術力を求めて海外に発注する企業が増えている」と話す。
東京や大阪以外でも技術者を確保しようと14年、松江市にアプリ開発拠点を設け、5人が在籍する。人を増やしたいが「開発を任せられる技術を持つ人材が少なく、思うように増員できない」(●川社長)という。
人手不足感が強まる中、ITスキルを就職の際の武器にしようとする人が集まり、技術者育成講座も活況だ。
オンラインのプログラミング教育サービス「TechAcademy(テックアカデミー)」を運営するキラメックス(東京)は、アプリ開発など初心者向けコースを展開。4~8週でプログラミングができるようになることを目指す。12年11月の開講以来、受講者は延べ7000人を超えた。半数は東京、大阪以外の居住者だという。
全国でパソコンスクール「アビバ」を運営するリンクアカデミー(東京)の都内の教室に通う30代の男性会社員は、専門的なIT関連講座「アビバプロ」のコースを受講。総務の業務で転職を考えているといい「業務管理システムの開発ができるようになって、より良い条件の会社に移りたい」と話す。
●=魚へんに沸のつくり