NTT東日本が独自開発したドローン【拡大】
◆宅配への応用視野
インターネット通販大手の楽天は5月9日、千葉県御宿町のゴルフ場「キャメルゴルフリゾート」で、プレー客にドローンを使ってボールや軽食などを届けるサービス「そら楽」を始めた。
商品の受取所は、ドローンの飛行音がプレーの妨げにならないよう、他のホールから少し離れた場所にある15番ホールのティーグラウンド付近に設置。スマートフォンの専用アプリから注文できる。運べる商品の総重量は2キロまでで、送料は当面無料。クラブハウス付近の配送所で係員が箱(縦横20センチ、高さ15センチ)を機体に搭載し、顧客が受取所に到着するころに合わせて自律飛行で届ける。
約1カ月間、利用者の声や運用状況を分析し、サービス継続や拡大を検討する。三木谷浩史会長兼社長は「将来的には過疎地や山岳地帯での配送に応用したい」と宅配への利用を目指す。
NTT東日本は、東日本大震災をきっかけに、2012年から災害時に復旧作業や点検作業に使えるドローンの開発に取り組んでいる。独自開発したドローンは、災害時の通信設備の応急復旧を行うため、通信ケーブルのリード線を運搬することができる。カメラも搭載し、被災状況の確認や、橋の裏側にあるケーブルが通る管路の点検が可能という。
13年8月に発生した埼玉県飯能市の有間ダムでの崖崩れや、15年4月の北海道羅臼町での海岸線崩落などの災害現場で活用実績がある。
NTT西日本も15年3月にドローンを配備。熊本地震では、通信ケーブルが通る阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)が土砂崩れで崩落したため、被災状況の確認や、ケーブル復旧の準備作業に利用した。