先日も自動車部品を生産する社員数約70人のある中小企業の経営者から相談を受けた。
「取引先から、これまで同様コストダウンを要請されました。取引先のここ数年の決算状況は、過去最高益だが、当社は毎年の相次ぐコストダウンで、今は収支トントン。ここでコストダウンを受ければ、間違いなく当社の経営は赤字に陥ります…。どのように対処すればよいのでしょうか…」
筆者はその経営者に「ところで、そんな理不尽なことを平気でやるような企業との取引依存度は何%ですか?」「仕事は『貸与図取引』ですか、それとも『承認図取引』ですか?」、さらには、「あなたの会社には設計開発技術者が何人いるのですか?」などと質問をした。
その経営者は、依存度は80%、取引は貸与図取引、そして設計開発技術者はゼロと答えた。筆者はその経営者に「取引先の取引姿勢も許しがたいが、そういう取引先に命を預けたような経営をやってきた、社長さんの経営の考え方・進め方にもっと大きな問題があります。10年かけて、この取引先との取引をやめる経営を一緒に考えましょう」と言った。