JXホールディングスが開発に参画するインドネシア東部のガス田(共同)【拡大】
石油元売りや商社などが原油や銅などの価格下落を受け、収益が悪化した油田や鉱山といった資源関連投資の縮小を急いでいる。中国など新興国の経済減速は当面続くとして、資源価格の大幅な反転を予想する声が少ないためだ。12社が2015年度連結決算で計上した資源投資の損失は、前年度比約1.7倍の約1兆4526億円になった。
15年度の損失は、JXホールディングスや出光興産など石油元売り大手5社、三菱商事や三井物産など大手商社5社、国際石油開発帝石と石油資源開発の減損損失や株式評価損を加えた。
14年度の損失は約8527億円だった。原油の14年度の平均価格は1バレル=約83ドルだったが、15年度は約46ドルに下がった。銅は約2割安くなるなど、下落のスピードが想定より速かったのが、損失が膨らんだ要因だ。
石油元売り最大手のJXホールディングスの損失は3281億円だった。英国の北海油田やチリの銅鉱山の損失が響いた。出光興産も北海やベトナム沖の油田で342億円の損失を出した。
商社は三菱商事が3850億円、三井物産が2800億円。両社はチリの銅やオーストラリアの液化天然ガス(LNG)で損失が大きくなった。国際石油開発帝石は米メキシコ湾やアフリカの産油国アンゴラの油田が収益の足を引っ張った。
16年度は多くが資源関連投資を絞り込む。出光は16年度の原油価格は1バレル=45ドルとみており、投資計画を15年度比で約1割減の1040億円とした。
国際石油開発帝石も2761億円減の6950億円とする。村山昌博常務執行役員は「先行きを楽観していない」と話す。石油資源開発はインドネシアで開発中のガス田の権益を売却する。
一方、SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「長期的には中国やインドなど新興国の資源需要が増えるのは確実だ」とし、投資縮小の動きに疑問を投げ掛けている。