独立心旺盛で、結婚前は米国でレストラン経営を目指していた。「人に使われるのが嫌」という起業家魂に火が付いた。NCルーターを使ったヒバ材の薄いまな板、トレーは東京の大手百貨店の棚に20年間も並ぶロングセラーになった。
◆オンリーワンに挑戦
トレーニングバットが生まれたのは「良いものは必ず受け入れられる」という信念から。94年発売の「パワースラッガー」は一般的なマスコットバットとは異なり、振るだけで実際に球を打ったインパクトを体験できる画期的なバットだ。
金属製の軸に手元から木製のグリップ、おもり、先端にヘッドが取り付けられている。振ると、遠心力で軸上を動くおもりがヘッドに当たり球を打ったインパクトを体験できる仕組み。発展型の「モンスタースラッガー」はプロゴルファーも筋力アップに役立てているという。
脇を締めてバットを振る感覚を養える「シュプリームスイング」や、ミート力向上のため極細にした「コアバット」、投手の指先などを鍛える「フィンガーエース」、手首や肘、肩の可動域を広げる「フィンガーゴリラ」も開発、テニスのトレーニング機器も手掛けた。
内田社長が現在、商品開発で最も注目しているのは“足と指”。東大と共同研究した靴のインソールを今年8月、「ファンバルソール」の商品名で発売する予定だ。特許も取得済み。従業員がわずか11人の企業でありながらこれまでに取得した特許は12件を数える。
パワースラッガーなどトレーニングバット系が4件、ダンベル系3件、野球のボール系2件、テニス・ボディーツイスト・インソールが各1件。内田社長は「これまでお客さまに育ててもらいました。さらにオンリーワンの良い製品づくりに挑戦していきたい」と意欲的だ。(石田征広)