“中国で認知度ゼロ”だったドンキの悔しさ なぜ訪日客が飛躍的に増えたのか? (3/7ページ)

2016.6.5 17:07

 戦略進化1:知名度を上げた「使える」マップ

 ドン・キホーテが個人客向けに本格的なインバウンド戦略を開始したのは10年3月のことだ。東京・新宿のホテルから、「訪日客が夕食後の夜の時間帯も楽しめるようにしたい」と要請を受け、域内2店舗とホテル群を結ぶ多言語マップを作成した。

 「“点”から“点と線”の情報発信へ。最初の進化です。配布地域も順次拡大していきました」(中村氏)すると今度は、札幌でマップを見た訪日客から、地域のグルメや観光情報もほしいとの声が上がった。この要望を受けて生まれたのが、ドン・キホーテの店舗周辺の飲食店の場所とその店の特典情報を掲載した「ようこそ!マップ」だ。10年秋に札幌、新宿、大阪からスタート。制作は地元広告代理店に委託し、経費は協賛広告でまかなう方式をとった。

 「“点と線”から“面”への進化です。訪日客は街を楽しみたい。インバウンド対応は、売り手の都合以上に、旅人目線に立たなければならないことに気づきました。すると、業績も目に見えて上がりました」(中村氏)

 欲しい情報なら、捨てられることはない。「ようこそ!マップ」は中国での旅行博でも、配らなくても来場客が手に取っていくようになり、2年前の雪辱を果たすとともに、ドン・キホーテの知名度を押し上げていった。

「ようこそ!カード」の特徴は、海外のどの提携先で…

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