コスト増の懸念強く
英国の年間自動車生産台数約160万台のうち、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの3社で半数程度を占める。
英北部の港湾都市サンダーランドにある日産の工場は、15年に世界生産の約1割にあたる約47万5千台を生産した。うち、約8割は関税がかからないEU域内を中心とする輸出だ。
トヨタも英国に中型車の生産拠点を置き、年19万台の生産台数の約75%を輸出が占める。英南部ウィルシャー州に現地工場を置くホンダは昨年、英国で約11万9千台を生産し、5割以上が輸出だった。
英国がEUから離脱すればEU域内への輸出車に10%の関税がかかり、競争力がそがれる。日産のカルロス・ゴーン社長は2月、「(EU残留が)雇用、貿易やコストの観点からふさわしい」と離脱の動きを牽制(けんせい)した。トヨタ英国法人のトニー・ウォーカー副社長も「EU市場への自由なアクセスは事業に不可欠だ。離脱は製造コストの増加を招く」と懸念する。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は「多くの日系企業が新たなコスト増を吸収できずに、他国への一部移転など戦略見直しを迫られかねない」と警鐘を鳴らす。