
北京にあるショッピングモールの日本製品売り場。わざわざ訪日しなくても品揃えは充実してきた(AP)【拡大】
変われるか、百貨店
ただ、日本を訪れる中国人は減ってはいない。日本政府観光局によると4月は約51万5千人で前年同月比26・9%増だった。ただ「中国人観光客の間にモノ(商品)よりも、コト(体験)を求める傾向が出てきた」。百貨店業界からはこんな指摘が聞かれる。
日本の百貨店業界はバブル崩壊以来、「モノよりもコトを」と道を探った。質の高い商品をそろえるだけでなく、サービスやイベントと連携した売り込みが必要だとの考え方だが、売上高を見る限りそうした戦略が成功しているとはいえないようだ。国内百貨店全体の売上高はピーク時に計10兆円超を誇ったが、いまや6兆円台となっている。
代わって伸びているのが、ショッピングモールだ。例えば膨大なテナントを擁するグランフロント大阪。商業施設の開業3年目(27年4月~28年3月)の売上高は458億円で来店者数は5178万人。目標の400億円、3650万人を上回った。