□首都高速道路 計画・環境部都市環境創造課 渡部善弘課長代理
首都高速道路(東京都千代田区)は、社会的な環境意識の高まりから都市にふさわしい環境に配慮した道路事業を進めている。地域社会との共生と景観向上への取り組みはその一環で、3号渋谷線と中央環状線(山手トンネル)をつなぐ大橋ジャンクション(JCT)の換気所屋上に設けた自然再生緑地「おおはし里の杜」はその代表例だ。水循環システムなどの工事監督を務めた計画・環境部都市環境創造課の渡部善弘課長代理は、目の前を流れる目黒川周辺の「昭和初期の原風景の再生を目指した」と話す。
◆目黒川の原風景再生
--おおはし里の杜のコンセプトは
「東京都心部にある代々木公園や駒場公園などの大きな緑地と目黒川の自然をつなぐ緑のネットワーク構築を目指す拠点に位置付けた。大橋JCTのある目黒区大橋周辺は、東京都による再開発事業、目黒区が進める公園整備事業と当社の道路事業が一体となって、地球温暖化、ヒートアイランド対策、生物多様性への貢献を目指して整備が進められた。おおはし里の杜はその中で『自然再生の緑』を担い、2011年7月に完成した」