堺市でシャープ社員ら再挑戦 新天地で再起図った創業者の心を胸に (1/2ページ)

2016.7.1 18:36

大阪市内から堺市に移転したシャープの本社。建物右側の3階建て部分。左側は元々稼働していた工場=1日午前、堺市堺区(柿平博文撮影)
大阪市内から堺市に移転したシャープの本社。建物右側の3階建て部分。左側は元々稼働していた工場=1日午前、堺市堺区(柿平博文撮影)【拡大】

  • 阿倍野区にあるシャープの旧本社=1日午前、大阪市阿倍野区(前川純一郎撮影)

 シャープが1日に本社を移転した堺市の事務所棟には、初出勤する社員らの姿が見られた。一方、大正時代から本社を置いてきた大阪市阿倍野区の地元では、再出発する社員らとの別れを惜しんだり、励ましたりする声が聞かれた。

 業績悪化により売却された大阪市の旧本社ビルと、隣接する田辺ビルには約1800人の社員が在籍していた。堺市の新本社には8月中旬までに経営企画部門など400人が移転する予定で、すでに週明けの先月27日から新本社で業務を始めた人も多い。ただ、大半の部署は移転先が決まっておらず、順次、大阪府や奈良県の工場、大阪市内の貸しビルなどへ移転を進める。

 交通アクセスの良い大阪市の旧本社と比べ、堺市の新本社は最寄り駅から路線バスで約15分かかる大阪湾岸エリア。1日朝に正門前でバスを降りて出勤する社員らは、報道陣のカメラの前を緊張したような面持ちで通り過ぎていった。

 一方、大阪市の旧本社に出勤した兵庫県尼崎市の50代の男性社員は「春先には7月1日に移転すると言われたが、早く勤務先を決めてほしい。移転先が遠ければ、子供の弁当を作れないと心配する女性社員もいる」とこぼした。20代の男性社員は「役員室のある2階はもぬけの空。自分は気持ちを新たにするだけです」と話していた。

地元の飲食店主らが、なじみ客でもある役員や社員らとの別れを惜しんだ

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