
3Dメモリーを生産する東芝の四日市工場新第2製造棟のクリーンルーム(同社提供)【拡大】
東芝は3月から新棟の一部ラインで積層数が48層の3Dメモリーの生産を開始。2017年度に3Dの生産比率を全体の5割、18年度には8割以上に引き上げる計画だ。メモリー事業の提携先だった米サンディスクを5月に買収したWDと共同で、今後3年間で四日市工場に約1兆4000億円を投資する。17年度には3Dの新棟を建設する。
一方、サムスンは1年半前に3Dの量産化に成功し、昨秋から48層のメモリーの量産を本格化させている。メモリー市場の回復やデータの需要増を見込んで投資攻勢を強めている。韓国メディアによると、サムスンは、東芝・WD連合を上回る2兆5000億円をメモリーに投資する計画だという。
今後の3Dメモリー競争について、米調査会社IHSマーキットテクノロジーの大山聡主席アナリストは「量産技術が重要になる」と指摘する。半導体製造装置メーカーの関係者からは「不良品が少ない歩留まり率で、東芝はサムスンや米マイクロン・テクノロジーとの差が大きく、量産が安定していない」との声も出ている。