
3Dメモリーを生産する東芝の四日市工場新第2製造棟のクリーンルーム(同社提供)【拡大】
半導体事業を担当する東芝の成毛康雄副社長は同日の会見で、「技術では負けていない」と述べたものの、量産技術の遅れは認めた。量産立ち上げの経験値があるサムスンに対し、東芝はこれから新第2製造棟で本格的に技術改善に取り組む。量産技術の確立が遅れれば、サムスンとの差が開き、世界シェア3位のマイクロンに抜かれる可能性もある。
投資体力に不安
また、懸念されるのが足元の財務状況だ。今後3年間の設備投資のめどはついたが、問題はその先だ。半導体事業は巨額投資が必要で、実行できなければすぐに取り残されてしまう。
東芝は自己資本比率を15年度末の6.1%から18年度に10%以上に引き上げる目標を掲げている。目標を達成しても低水準で、投資体力に不安が残る。仮に業績が回復しなければ、次の大型投資は難しくなる。