半導体の新エース企業に賭けたソフトバンク孫社長 「先見の明」問われる3兆円投資 (1/2ページ)

 ソフトバンクグループの孫正義社長が3兆円を超える巨額資金を投じ英半導体開発大手、アーム・ホールディングスの買収に踏み切った。これはすべてのモノがインターネットにつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」の発展に加え、コンピューターの人工知能(AI)が人間の知能を超える「シンギュラリティ」にアームが不可欠だと考えたからだ。

 一般的な知名度はまだ低いが、アームは米インテル社の新たなライバルにあたる存在だ。スマートフォンなどのモバイル端末用の演算処理用半導体を開発している。例えば「iPhone」のCPU(中央演算処理装置)「Aシリーズ」もこのひとつ。ライセンスを供与する半導体は年間約150億個が出荷されているという。

 孫社長は「これが何十倍、何百倍にも増える」と述べ、その将来性に期待した先行投資であることを強調した。携帯電話市場の発展を見込み2006年に英ボーダフォンの日本法人を約2兆円で買収するなど、次の時代をにらんだ果敢な投資でソフトバンクを成長させてきた。

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