◆スタートアップ売る
--イベントにはどんな人が参加していますか
「英語を公用語とするイベントですが、参加者の60~65%が日本人、残りが外国人で、適当なバランスだと思います。スタートアップ、学生、ベンチャーキャピタリスト(VC)、投資家などそれぞれに向けたチケットを用意しました」
--内訳は
「スタートアップ向けのチケットが400枚売れましたから、参加者の1割ですね。投資家が100人、メディア関係者が200人といったところですが、チケット購入者で最も多いのは大・中規模の企業で働く人たちです。日本のスタートアップやスラッシュ・アジアの協賛企業と直接関わりのない企業からの参加者が多数を占めています」
--7~8割の参加者がスタートアップとは日常的な関わりを持たないということですね。彼らにとって、スラッシュ・アジア参加の目的は
「多くの人は単に好奇心から参加していますが、オープンイノベーションの機会を探っている企業から担当者が参加することもあります。スラッシュ・アジアをスタートアップとつながる機会と捉えているのです。彼らはスタートアップをイノベーションの源として見ていますが、実際にはスタートアップについてよく分からないのでイベントを足掛かりにしようと考えます」
--チケット購入者にスタートアップという「製品」を売り込むというわけですか
「そのように見ることもできるかもしれませんね」
--日本社会におけるスタートアップの現状をどう見ますか
「スタートアップの周期性は世界中で見られる現象ですが、日本国内にスタートアップが今よりも必要だということは間違いありません。日本では今でも多くの物事が大企業によって動かされており、経済の回復は遅れています。日本人は諸外国に比べて、起業家になれると考える人の割合が大変低いのも事実です」