
「アサヒもぎたて」をアピールする開発担当者の宮广朋美さん=東京都墨田区のアサヒビール本社【拡大】
プロジェクトを任された宮广さんは、プロジェクトのビッグブランドになりきれなかったこれまでの商品の分析に取りかかった。すると、消費者に「新しさ」や「差別化」などが訴求できていないことが分かった。さらに、肝心の「中身や味」も、つくりきれていなかった。「コンセプトと中身が競合商品を上回る売りになっていなかった」(宮广さん)と振り返る。
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消費者が求める缶チューハイづくりに向けて同時に進めたのが、消費者へのインタビュー調査などだ。消費者のニーズを深掘りするためで、「RTD商品としてかつてないほどの大規模な調査だった」(宮广さん)というように、約360人にインタビューを実施したほか、4150人以上の定量調査をじっくり3年をかけて行った。看板商品「スーパードライ」の開発時に匹敵するほどの規模だったという。
消費者の生の声に触れると、缶チューハイに対する不満が透けて見えてきた。それは「味が人工的」「後に甘さが残る」というものだった。
その一方で、チューハイの理想とする姿も浮かび上がってきた。それは居酒屋で出てくる生搾りサワーだった。
こうした調査を分析した結果、導き出した商品のコンセプトは「新鮮」だった。新鮮さを具現化した缶チューハイならば、「消費者のハートをつかむとともに、競合商品との差別化も図れるはずだ」(宮广さん)と確信した。