
ホンダがネオジム磁石周辺の発熱を抑えるために新設計したモーターのローター【拡大】
ただ、レアアースは一部地域に鉱床が偏在し、2010年には沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起き、その後に中国が輸出規制を強化したことで価格が急騰した。近年は豪州や北米でも開発が進み価格も安定してきているとはいえ、重希土類については中国南部に鉱床が限られており、調達リスクが依然として高かった。
ホンダは約10年前から重希土類の使用量を削減する研究を始め、価格高騰を機に共同開発に踏み切った。今回は大同特殊鋼が耐熱性の高いネオジム磁石をつくり、ホンダはモーターの設計を見直すことで、重希土類を使わずに現行のHV用並みの出力やトルクを実現している。
ネオジム磁石はこれまで原料の「磁粉」を1000度程度で焼き固めてつくっていたが、大同特殊鋼は熱を加えながら圧力をかける「熱間加工法」を採用した。焼き固めた磁石に比べて10分の1以下の微細な組織を調整し、結晶方位をそろえることで耐熱性を向上させた。岐阜県にある子会社の工場で量産し、HVにモーターを1つずつ使用するとした場合で、20万台分にあたる年間200トンの能力を確保している。