
朝日を浴びながら東京へ向け新函館北斗駅を出発した北海道新幹線=26日午前、北海道北斗市(三尾郁恵撮影)【拡大】
採算見通せず
国が全国新幹線鉄道整備法に基づき基本計画線を定めたのは、高度経済成長のピークだった1970年代初頭。その後、航空路線や高速道路など鉄道以外の交通の整備が進み、将来的に人口の急増や経済の大幅な成長が見込めない中、基本計画線をつくっても採算が取れるかは見通せない。新幹線開業後にJRから第三セクターなどに経営分離される並行在来線を「地域の足」としてどのように維持していくかといった問題もある。
石井啓一国交相は3日の記者会見で「当面は建設中の整備新幹線に全力を挙げる」として、17年度予算の概算要求に基本計画線の関連費を計上することを否定した。国交省幹部も「次の新幹線を整備する必要性や、必要だとしたらどこから手を付けるのかについて、議論する時がいずれ来るかもしれない。しかし、あくまで長期的課題だ」と話す。