ウーバーが日本で失敗した本当の理由(1) 革新的サービス会社として市民に支持されず (3/5ページ)

 信用されない企業

 米国ではサービス開始当初、両社が法に反しているわけではないことから当局が積極的に取り締まりに動こうとはしなかった。しかし、2012年にはワシントンDCでウーバーの運転手が摘発され、それを受けてウーバーが先導する過激な反動が即座に巻き起こった。

 ウーバーは革新者であり、世の中の進歩を逆行させる規制当局によって、ただ毎日の暮らしを良くすることを望む勤勉な市民が摘発されているという見方がされたのである。

 これ以上に米国らしいビジネスモデルがあるだろうか。現在、ウーバーは米国で数百人のロビイストと契約し、敏腕キャンペーンマネジャーを採用し、何千万ドルもの予算を投じて、各州で自社のサービスの成長を後押しする法律を成立させている。協力的でない地方議会議員がいれば名指しで批判し、タクシー業界との癒着があるのではないかと糾弾する。

 同時に、全米の法廷では規制当局に対抗する地道な作戦を展開している。当局の動きは遅いかもしれない。しかし、いずれその手は迫ってくる。規制当局が「事故の統計を見たい」と言えば、ウーバーは「訴えてみろ」と言う。当局が勝てば、控訴する。それに当局が勝てば、部分的なリストを開示する。リストに全情報が示されていないことは証明できないだろう、文句があるならまた訴えてみろ。そういう姿勢だ。

失敗続きに終わっている1つ目の理由