ウーバーが日本で失敗した本当の理由(1) 革新的サービス会社として市民に支持されず (4/5ページ)

 これまでにいくつかの法廷では敗訴し、それにより運営コストが上がったり、地域の市場から一時的に撤退を余儀なくされたりしたが、ウーバーはこの戦いの勝者である。サンフランシスコでウーバーがサービスをローンチしてから今年の7月で丸6年。昨年末には全世界で延べ10億人目の客が、6月には20億人目の客がウーバーを利用し、米国を中心に世界中で広く利用されるサービスになった。

 どちらが長期的に良いか、悪いかという論争に加わるつもりはない。ただ、ウーバーが日本でおかした過ちから学びたいのならば、情熱を追い求める創業者の言い分ではなく、このビジネスモデルと新市場進出のシナリオが扱う日本市場を冷静に分析する必要がある。まず、米国で著しい成功を収めたウーバーの戦術が、日本では無残にも失敗続きに終わっている1つ目の理由を説明しよう。

 (1)政府が業界よりも信用される

 日本では、人々が産業界よりも政府を信用すると言うと、サンフランシスコに住む自由主義の友達は当惑する。彼らは、この現象を洗脳だとかプロパガンダだとして片付けようとするが、それは間違っている。米国では、本能的に政府に対する胸の悪くなるような嫌気と不信用が当たり前になっているが、それは自由主義諸国の中でも少し特異な存在なのかもしれない。

日本市場で過大な支持見積もり