◆定番から漢方まで
パブの脇にはモルトとホップを煮込む釜が醸造所のシンボルのように置かれ、店内の10個のタップから個性豊かなクラフトビールが注がれる。ゴールデンエール「氷川の杜~Hana~」(ハーフ600円)など定番のほか、シナモン、朝鮮ニンジン、クコなど地元企業が調合した漢方を使った「漢万(かんばん)・エール」(同650円)は漢方特有の苦みがビールの苦みと重なるユニークな味わい。さいたま市ヨーロッパ野菜研究会とコラボした製品も人気だ。食事も提供し、地元のパン屋に頼んで水の代わりにビールを使ってホップの苦みを前面に出したパンもある。
ニコンではカメラレンズの自動焦点(AF)に使う超音波モーターの製造装置など生産技術を担当していたという。「自分の好きな物は自分でつくりたくなるという職業病ですね(笑)。30年やった生産技術は、世の中にないものを自分で設計、開発してつくるのが基本で、ビールの味の設計も同じ。いかに安定して安くつくるかという観点で取り組み、条件が振れたら味がどう変わるかを見るのも共通している」
一部のクラフトビールは瓶詰製品を大宮高島屋で限定販売。瓶についたマークには、近くの武蔵一宮氷川神社の社紋「八雲」もあしらわれている。「大宮には土産物がないと言われていたので、自分の街を伝えるための、街を自慢するための一つのコンテンツとして使ってもらえたらうれしい」と語った。(鵜野光博)
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【会社概要】
▽本社=さいたま市大宮区東町2の87
▽設立=2014年1月
▽資本金=100万円
▽従業員=1人
▽売上高=2000万円(15年度)
▽事業内容=クラフトビール醸造販売
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