
外国人患者の問診を通訳する聖路加国際病院の担当者(右)【拡大】
同病院人事課の原茂順一マネジャーは「高品質とそれに見合った価格をポリシーに、患者に不義理がないように徹底的に対応する。中国人などは満足するとリピーターになるし、親族や友人を連れてくる」と話す。福井院長は「メディローカスの外国人比率は10%前後だが、20年には20%を目指す」と手応えを感じている。
今年の外国人患者は治療で200人強、人間ドックで約150~200人に達する見通しで、問い合わせは月間約250~300件という。「どんな治療ができるのか」「金額は」といった質問が多いという。
外国人患者の受け入れに熱心な湘南鎌倉総合病院は、12年に国際医療支援室を開設すると同時に認証プロジェクトを推進。同年に外国人にアピールできる「JCI認証」を、13年には日本版JCIと呼ばれる「JMIP認証」を取得。さらにムスリム(イスラム教徒)にとって食の安全・安心を確保する「ハラル認証」も差別化戦略の一環として取得した。
「医療渡航者のほとんどが中国人」という同病院だが、支援室の海老沢健太主任は「訪日客の治療に積極的に応じる。安心してきてほしい」とアピール。そのために英語、フランス語、中国語など外国語が話せるスタッフをそろえる。そのかいあって患者数、売り上げとも増加、売り上げは全体の10%を占めるまでになった。「将来は20%程度まで引き上げる」と意欲的だ。