訪日医療ツーリズム「最高級」提供 オーダーメードで1人数百万円 (2/4ページ)

日本旅行などが中国・上海で開催した医療ツーリズムの説明会
日本旅行などが中国・上海で開催した医療ツーリズムの説明会【拡大】

 同社が医療ツアーに乗り出したのは2009年4月。中国の旅行会社「優翔国際(ラビオン)」と提携し、富裕層を対象に、聖授会OCAT予防医療センターでのPET検診と観光を組み合わせたオーダーメードツアーを始めた。最初の年は49人、10年は過去最高の268人が参加した。「PET検診で来日する」ブームの火付け役となり、その後も年間80~100人強が利用している。

 富裕層相手のビジネスだけにもうけたい旅行会社が続々と参入し、価格競争に突入した。しかし「富裕層は安全・安心・正確という医療の質を求めてくる。加えて高度な手配能力が必要。手間がかかるので、安定的に収益を上げられるほど甘くない」(青木氏)ことが分かると撤退が相次いだ。

 病院は手間いらず

 JTBは10年から、中国人を中心にオーダーメードの医療ツーリズムを提供している。参加者は増加傾向を示しており、15年度は前年度比20%増えた。この間、中国で北京、上海、広州に拠点を構え、日本では100超の病院と提携した。

 JTBグループで医療周辺サービスに限定して事業展開するジャパン・メディカル&ヘルスツーリズムセンターの高橋伸佳センター長は「中国などからの医療渡航者は有名な医師とブランド病院、最新機器による高度医療を求めて来る。ニーズを聞いて対応する必要がある」と話す。

このため、現地からの問い合わせに対する病院の紹介、セカンドオピニオンの取り次ぎ…