
日本学生対校陸上・男子200メートル決勝20秒60で優勝した桐生祥秀(中央)=4日、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場【拡大】
「今は競技、学連、さらには大学ごとに運営しているが、人気や伝統のあるなし、地域の違いなどで格差は大きい。バラバラに行動するのではなく、統合、連携することで集客や企業協賛の増加も期待できる」
一方で、日本では教育の場である大学に経済活動を持ち込むことにいまだ、違和感を唱える人が少なくない。もちろん、大学は勉学第一である。そこがおろそかになってはならない。しかし、資源の活用を遅らせ、財源確保の問題など大学スポーツ活性化の芽を摘む要因となってきたことも否定できない。
同時に、OB組織による縦社会、学閥の横行など弊害も指摘されて久しい。新組織は一石を投じることにもなろう。
ただ、松浪氏は従来のかたちを壊すものではないとも話す。「各大学それぞれの伝統、企業コラボなど大学個々の努力は尊重されるべきで、利点を生かし併存することが望ましい」。経営視点からの発言である。
個人的には一元化に興味がつきない。『希望郷いわて国体』は11日終了したが、国体の競技施設を使い、例えば開催翌年に統合インカレを開けば地域活性化を後押しすることになろう。大学との関係強化が生まれ、合宿誘致なども考えられる。
大事なことは、統合組織による収益や人材育成などをきちんと大学に還元することである。NCAAはあくまでも大学スポーツの円滑な運営を主眼としており、学業成績や奨学金、暴力など大学スポーツ界を取り巻く数多くの問題にルールやガイドラインを設定し、指導してきた組織である。そこを忘れてはならない。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)