右肩上がりのワイン市場 サントリーは肉専用の「黒」、ハウスは“宅飲み” (2/3ページ)


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  • サントリーが発売している肉料理専用のワイン「CARNIVOR(カーニヴォ)」を楽しむ人たち=大阪市北区のエイジングハウス1795堂島店(南雲都撮影)

 カーニヴォは「ステーキブーム」を受けて平成26年に商品化された。店頭想定価格はフルボトル(750ミリリットル)で2400円程度だが、飲食店では4千円前後で提供されることが多い。

 サントリーはカーニヴォの成功に伴い、「豚肉に合うワイン」や「グリル専用ワイン」などの新商品を相次いで市場に投入し、“二匹目のドジョウ”を狙う。

 関西では協会設立

 拡大が続く国内ワイン市場は27年に15年の約1・6倍の規模に達したが、その成長を支えているのは低価格なチリ産ワインだ。財務省の貿易統計によると、27年のチリ産ワインの輸入量は長年トップだったフランス産を初めて上回った。

 また、24年ごろからは気軽にワインが飲める飲食店「バル」が増加。サントリー酒類の榎原俊樹部長代理は「低価格ワインとバルのおかげで日常的に飲む人が増えてきた」と指摘する。

 ワイン人気を追い風に国産の需要も高まっている。輸入ワインも日本で瓶詰めされると、「国産」になるため、国産ブドウで作ったワインを「日本ワイン」と呼び、差別化を図る動きが出ている。今年6月には近畿のワイン醸造業者13社が知名度向上を目指して関西ワイナリー協会を設立し、販売拡大に乗り出した。

低価格ワインの普及により、家庭でも気軽にワインを飲む人が増えている