
仮想発電所の実証実験が行われる分譲地「スマートハイムシティ研究学園」=茨城県つくば市(積水化学工業提供)【拡大】
鉄骨プレハブ住宅「セキスイハイム」の積水化学工業は、茨城県つくば市の分譲地で来月から、20軒の家庭用蓄電池を連携させる「仮想発電所(バーチャルパワープラント、VPP)」の実証実験を始める。日本で初めて、家庭用蓄電池で余った電力を電力会社の既存送電網へと流し、効率活用する。ソーラー住宅に関しては2019年に、電力買い取りの条件が有利な固定価格買取制度が約50万棟で終了する。ソーラー住宅の施工数が16万棟を上回り、ギネス記録認定もされた同社としては、国の制度適用が終わった後も、全国の顧客が太陽光発電のメリットを生かせる仕組みを作りたい考えだ。
「売る」から「使う」時代へ
筑波山を北に望むニュータウンで積水化学が手掛けた一区画「スマートハイムシティ研究学園」。実験説明会で、同社の上脇太執行役員は「余剰電力は『売る』から『使う』時代へ移る。自給自足が有利となる仕組みを構築したい」と狙いを述べた。2年間の実験で課題を洗い出した上、19年にはVPPの本格展開を始め、同社が建てた全国のソーラー住宅をネットワーク化するのが目標だという。
1997年にソーラー住宅の販売を始めた積水化学は、すでに東日本大震災前の2010年から5年間、北九州市で先進的な実験を行っている。街区内のソーラー住宅で生じた余剰電力を、余っている家庭の蓄電池から足りない家庭の蓄電池へ遠隔制御で融通するという「街区エネルギー管理システム(TEMS)」の開発だ。