
ユニークなヘッドランプ【拡大】
この意識はトヨタが2015年に打ち出した「もっといいクルマづくり」というコンセプトにもつながっていく。良い評価を得たい人は、売れるクルマにばかり関与したがる。一方で売れるクルマは、実績をベースに求められる機能がハッキリしており、ユニークで面白いクルマ、新しいコンセプトのクルマが生まれにくい環境につながっている。これまでの評価方法では、例えばスポーツタイプのクルマの開発に関わっても、売上や利益に対する貢献は小さいため、社員のキャリアにプラスにならない部分があった。しかし、意欲的なナイストライを評価する制度が確立されれば、新しい物をやってみようという意欲が生まれるはず、ということだ。
プリウスはカッコ悪い
「やることはたくさんあるんですよ。例えば、今トヨタに入ってくる人たちは優秀な人たちです。先のことまで考えて、新型車に搭載できる技術の一部を、マイナーチェンジに備えて取っておく。出し惜しみです。マイナーチェンジの時にそれを投入すれば、やった仕事としてアピールしやすいし、クルマも具体的に変わった部分が訴求できますからね。でもそれはダメだと。出せる物は全部出し切って、マイナーチェンジに向けてはまた一から意欲的なチャレンジをすべきなんです。