出光興産と昭和シェル石油の合併計画に出光の創業家が反対している問題で、出光の系列給油所を運営する全国の販売店組織「全国出光会」は26日、東京都内で理事会を開き、合併推進を求めて創業家と経営側に協議再開を要請することを決めた。事業運営で重要な役割を担う全国の販売店が動き、合併をめぐる膠着(こうちゃく)状態の打開を促す。
同日の理事会では、出光と昭シェルの合併に賛成の立場を改めて確認。そのうえで、7月11日以降中断している経営側と創業家の協議再開を求めることを決めた。要請は文書で創業家で創業者長男の出光昭介名誉会長と、経営側の月岡隆社長それぞれに送付する。同時に全国出光会としても、両者と直接、対話する機会を求める。
理事会後、報道陣に応じた遠藤祐司会長(サンワ会長)は「石油業界は創業家が考えるほど甘くない。(販売店は過当競争で)疲弊し、厳しい」と述べた。