アサヒグループホールディングスが、東欧5カ国のビール事業の買収を検討していることが5日、分かった。対象は英大手SABミラーの事業で、近く売却に向けた入札手続きが始まる。業界では買収額が5000億円規模に上るとされ、アサヒが参加すれば、投資ファンドなども含めた激しい争奪戦が予想される。
売却対象はハンガリーやポーランド、チェコ、スロバキア、ルーマニアのビール事業で、人気ブランド「ピルスナーウルケル」が含まれる。アサヒは日本市場の縮小を背景に、競合他社に比べ出遅れが目立つ海外事業の拡大を急いでいる。
SABミラーは世界2位だが、「バドワイザー」で知られるベルギーの世界首位アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)と経営統合し、世界シェアの3割を握る巨大企業が誕生することになった。各国の独占禁止法に抵触するのを避けるため、世界的な事業再編を進めている。