サッポロHD次期社長、ビール税率引き下げ「歓迎」 競争で優位にはたらく可能性

インタビューに応じるサッポロビールの尾賀真城社長=22日、東京都渋谷区
インタビューに応じるサッポロビールの尾賀真城社長=22日、東京都渋谷区【拡大】

 来年1月に持ち株会社サッポロホールディングス(HD)の社長に就任する尾賀真城・サッポロビール社長が22日、フジサンケイビジネスアイの取材に応じた。政府・与党がビール類の酒税を2020年度から5年程度かけて段階的に350ミリリットル缶当たり約55円に一本化する方向で調整していることについて、「最終的にどのような結論になるか分からないが、ビールの税率が下がることは歓迎したい」との考えを示した。

 サッポロは麦芽比率25%未満の発泡酒や麦芽を使わない第3のビールも取り扱うが、ビールの売り上げ比率が高い。ビールは現在の税額の77円から約55円に引き下げられる方向で調整されており、今後の競争で優位にはたらく可能性もある。

 一方で来年度の税制改正でワインや缶酎ハイ、ハイボールも引き上げられる見通しで、尾賀氏は「価格の安い商品の値上げは、酒離れを引き起こす可能性もある」と危機感を募らせた。また、海外と比べて「日本の酒税は高い」との見解も示した。

 サッポロは今年から「ビール強化元年」を掲げ、主力の「黒ラベル」や「エビスビール」の販売に力を入れている。同氏は「今年も黒ラベルは前年実績を上回る見通しで、これからの10年もビールに注力したい」と意気込みを語った。

 ビールの国内シェアは10%超で4位だが、「ブランドを磨いて顧客の支持を得た上で15%、20%を目指したい」と述べた。国内で人気が高まっているクラフトビールについては「種類を増やしたい」と語った。