日生、AIで査定自動化 業界初 顧客サポート向上へ導入検討

 日本生命保険が保険の引き受けや支払い査定を自動化するため人工知能(AI)を導入する検討に入ったことが6日、分かった。保険業界では初めてとなる。従業員の作業効率を上げ、顧客サポート態勢を充実させるのが狙い。

 日生は実現に向けた取り組みを8月から開始。顧客が人間ドックで受診した診断結果のデータ約600パターンのうち、特定の20~30項目を抽出する実験を始めている。年末までに診療報酬明細書も対象項目に広げ、集めたデータをAIが自動処理できる仕組みを整備する。

 その後、査定基準や支払い事例など膨大な情報(ビッグデータ)を分析し、基準をより厳格化。担当者の判断に役立てたうえで、AIを使った自動査定を導入する。

 保険の引き受け、支払いの判定や、査定額は従業員が判断しているが、虚偽の記載の有無を判別しなければならず負担も大きい。自動化できれば、業務効率が向上する。コールセンター業務へのAI導入も検討する。

 日生は、従来の保険ビジネスを変え、顧客の利便性を向上させる可能性が高いとして、最先端のITを積極的に活用していく方針だ。