【ビジネスのつぼ】リコー「触れる絵画」(立体複製画制作技術) (2/4ページ)

2016.10.10 05:00

リコーが開発した立体複製画制作技術「触れる絵画」。絵の凹凸も再現している
リコーが開発した立体複製画制作技術「触れる絵画」。絵の凹凸も再現している【拡大】

  • リコーが開発した立体複製画制作技術「触れる絵画」について話す灰田一穂さん(左)と亀井稔人さん
  • ゴッホの自画像の複製画は力強く強烈な色彩と激しい筆触が見事に再現されている
  • リコーが提供する多言語通訳サービスのイメージ(リコー提供)

 リコーのインクジェット印刷技術は建造、インテリア、住宅の装飾など産業用途で使われ、壁紙や家具に木目などの模様を印刷することができる。立体複製画制作技術はこれを美術の分野に応用したもので、リコーは5年前から開発に取り組んできた。

 印象派など19、20世紀の西洋絵画を代表するゴッホ、モネ、セザンヌ、ルノワール、マティス、ピカソらの日本初公開となる15点を含む52点の名画が披露される「デトロイト美術館展」の東京展(来年1月21日まで、上野の森美術館)では、この技術を使って作られた複製画5作品7点が販売される。

 ◆絵の具の盛り上がり解析

 「美術館が保存している名画は簡単に借りることはできませんから、2次元カメラで撮影した画像データをもとに、絵の具の盛り上がり方を解析する。そして、特殊なインクジェットプリンターで凹凸を作り、着色していくのです」

 使われるインクは、紫外線を当てると瞬時に硬くなり定着する「UVインク」で、水や直射日光にも耐えられる。

 「浮世絵などは水性インクプリンターで簡単に複製できますが、この技術は絵の具を塗り重ねる油絵の複製に適している」

 原画に絵の具が厚く塗られていればいるほど、複製に時間はかかる。巨匠たちの高度な技術は簡単にまねできるものではない。絵の具の盛り上がり方などを間違って認識してしまう場合もあり、原画と照らし合わせながら繰り返し修正し、完成度を高めていくという。

 「色の再現は本当に難しいです」と語るのは、同じくIJ事業部シニアスペシャリストの亀井稔人さん。“強敵”として名前を挙げた画家は「色の魔術師」の異名を持つマティスだ。

 「トルコ石を削って作った特殊な絵の具の『ターコイズ・ブルー』と同じ色を出すのに苦労しました」

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