石油元売り業界再編に暗雲 出光合併延期 JX統合審査に影響も (1/2ページ)

会見する昭和シェル石油の亀岡剛社長(左)と出光興産の月岡隆社長=13日午後、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)
会見する昭和シェル石油の亀岡剛社長(左)と出光興産の月岡隆社長=13日午後、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

 石油元売り2位の出光興産と5位の昭和シェル石油が来年4月の合併を延期したことで、政府が主導する国内石油元売り業界の再編に暗雲が漂っている。少子高齢化やエコカーの普及でガソリン需要の減少に歯止めがかからず、合従連衡による経営の強化は喫緊の課題だ。ただ昭シェルとの合併を反対する出光創業家に政府は有効な手を打てず混乱収拾の糸口は見えない。

 「合併はうまくいってほしいが、事態の打開は事業者側に任せるしかない」。経済産業省の幹部は出光のお家騒動に言葉を濁す。

 「個別案件には関与しない」というのが経産省の表向きの理由だが、出光が政府の反対を押し切り国際的に孤立していたイランから、秘密裏に大量の石油を安く買い付けた1953年の「日章丸事件」以来、連綿と続く距離感が透けてみえる。

 だが、元売り業界の再編は待ったなしだ。経産省によると、国内のガソリン需要は毎年2%程度の減少が続いており、2020年度には今年度比で1割程度減る見通し。地方では給油所の倒産も相次いでいる。

 ガソリンを供給する元売り業界は大手5社がせめぎ合い、製油所の稼働率を維持するため供給過剰を招く悪循環に陥った。原油価格の下落で高い時期に仕入れた石油の在庫評価損も発生し、業績は低迷している。

「元売り業界が国際社会や日本の需要減少のなかで生き残るには、再編は避けて通れない」