日本勢、ボーイング次世代機「777X」設備投資活発 富士重は100億円新工場 (2/2ページ)

777Xのイメージ(ボーイングのウェブサイトから)
777Xのイメージ(ボーイングのウェブサイトから)【拡大】

  • 富士重工業が半田工場で生産している大型機「777」の中央翼=愛知県半田市

 前部胴体や格納庫などを供給する川崎重工業は、名古屋第一工場(愛知県弥富市)内の新工場が年内に完工し、来夏から稼働する見込み。米ネブラスカ州の工場内にも貨物扉の生産ラインを新設し、ボーイング向けの供給態勢を充実させている。

 777Xは350~425席で、最長航続距離は、東京-米ニューヨーク間の約1.5倍に相当する1万6110キロメートル。ボーイングは競合機に比べ燃費を12%、運航費用を10%減らすとアピールし、昨年8月時点で航空6社から計320機を受注している。

 ■777X向け設備投資(会社名/主な生産部材/設備投資)

 三菱重工業/後部胴体/神戸造船所(神戸市)に新設備を導入し、2017年度から生産開始

 川崎重工業/前部胴体/名古屋第一工場(愛知県弥富市)に新工場を建設し、17年夏ごろ稼働開始。岐阜工場の新設備と合わせ250億円を投資

 富士重工業/中央翼/半田工場(愛知県半田市)に組立工場を新設し、17年3月までに稼働開始

 新明和工業/主翼と胴体のつなぎ目を覆う翼胴フェアリング/甲南工場(神戸市)など3拠点に約30億円を投じて新設備を導入

 日本飛行機/主翼構成部品/未定

 東レ/主翼材の炭素繊維/米サウスカロライナ州に500億円を投じて新工場を建設し、17年5月以降に稼働開始