
国内女子ゴルフツアーのシード権争いで“当確”し、来季の出場資格を決めた比嘉真美子=10月30日、埼玉県飯能市の武蔵丘GC【拡大】
国内女子ゴルフツアーも終盤を迎えている。先週の三菱電機では申ジエ(韓国)が今季3勝目(日本15勝目)を挙げ、今季の獲得賞金を約1億2930万円として2位に上昇。目下1位で、2年連続賞金女王を狙うイ・ボミ(韓国)の約1億5470万円に対して約2540万円差に詰め寄った。3位には、日本人トップの笠りつ子が約1億2190万円で追いかける。賞金女王争いが面白い。
しかし、そんな華やかな表舞台の“裏側”で、こんなシーンもあった。
◆女子ゴルフの“裏側”
「マジ、確定ですか? イエ~ィ!」と思わず叫んだのが比嘉真美子、23歳である。最終日にボギーなしの68で回り3日間通算7アンダーで単独3位へ。賞金560万円が加算され、今季の獲得賞金は約2064万円となり、賞金ランクも54位から46位に上昇した。2000万円が“当確”ラインのシード権争いで、比嘉はその地位をほぼ確定させ、生き残ったのである。
シード権…。来季へ向けての優先的試合出場資格。シーズン賞金獲得上位50人に入れば、自動的に与えられる。ところが“板子一枚”で分かれる51位以下には容赦がない。戦う場所を奪われるのだ。
どんなトップ選手でも例外ではない。比嘉にも苦い経験があった。2013年、ルーキーイヤーはツアー2勝。次代のスターと期待されたが、14年中盤から得意だったドライバーを左右に曲げる大スランプに陥った。「どう打っていいか分からなくなった」と。13年8位だった賞金ランクも、15年には17試合連続予選落ちも経験するなど、95位まで落ちた。