
国内女子ゴルフツアーのシード権争いで“当確”し、来季の出場資格を決めた比嘉真美子=10月30日、埼玉県飯能市の武蔵丘GC【拡大】
シードを逸した場合、サバイバルの舞台を経験しなければならない。12月上旬開催の4日間の最終予選会(QT)出場に向けて、何度も関門を通過しなければならない。そして最終QT上位40位に入れば、“準メンバー”として、ほぼ翌年の出場資格が得られる。比嘉は、昨季18位で今季の出場権を得ていたが、こんな言葉を漏らしていた。
「通過する自信はあったけれど、体調を含めて“その日”に何が起こるかわからない。精神的に、本当にプレッシャーがかかりましたね」
今季も8月下旬のニトリの前までは、22試合で300万円ほどしか稼げず、予選会を覚悟。予選会場での練習ラウンドを予定していたが、その後9試合で約1700万円を積み上げて“回避”したのだ。
そういえば、06年賞金女王になった大山志保は、故障に悩まされて10、12年と2度の最終QTを経験した。
「普通の試合以上に緊張しました。通過する、しないでは天国と地獄ですからね」
最終QTに失敗したら大変である。ツアー出場は主催者推薦(上限8試合)や各トーナメントの予選会などに限られる。戦いたくても戦えない。下部ツアーもあるが、優勝賞金は1試合300万円前後…。最近はビジュアル系も目立ち、スポンサーを抱える選手も多いが、シード権を失い、露出が少なければ、そんな道も断たれてしまう。細々とレッスン会などして生計を立てるしかなく、華やかな舞台から転げ落ちてしまうのだ。