富士フイルムホールディングスが、武田薬品工業の子会社の試薬品メーカー、和光純薬工業(大阪市)を買収する方向で武田と最終調整に入ったことが3日、分かった。買収額は2千億円規模になるとみられる。富士は、創薬研究用の試薬や感染症の診断薬に強みを持つ和光を傘下に収め、医療事業を強化する。月内にも基本合意し、平成28年度中の手続き完了を目指す。
和光の27年度の売上高は約800億円。武田が株式の約7割を保有し、富士も既に1割弱の株を持つ第2位株主だ。
和光をめぐっては、日立製作所子会社の日立化成なども買収の意向を示していたが、入札の結果、富士が最高額を提示し、優先交渉権を得たとみられる。富士は和光のノウハウを生かし、創薬やがん診断、新興国の検査薬市場を開拓する。